今まで三度借りて三度寝たこの映画を、今日遂に見通しました! しかも寝るのは決まって猿が進化してすぐという、早すぎだろ眠すぎだろという…。その程度しか見ていなくても友達にはしたり顔で「キューブリックまじで天才だよ」とか「凄いよね、2001年宇宙の旅。特に猿が進化するところ」と吹いていました。なんという知ったかぶりだよ!
 この映画は『未知への遭遇』で埋め尽くされています。最後の方はちょっと遠いところまで遭いに行っちゃったみたいで完全においてけぼりされてしまいましたが。いや、最後どころか途中で「喉が渇いたなあ」とお茶をくんでいたら、映画では博士がどこかに行っちゃって、僕は「外人はみんな顔が似てるなあ」と別キャラを博士に見立てていたりして、そこで既について行けてませんでした。登場人物が少ないのに間違えてしまうのは未知なる体験でした。いやでも本当に似てますよむこうの人はみんな! 物語よりも映画を見ている僕の方が未知に遭遇していました。
 昨日のつまらない映画とはうって変わって、少年時代にはいつも持ち合わせていた昂揚感をこの映画は揺さぶってくれました。何か知らないものに手を出すときにいつも感じていたあのざわめき。そういうものを甦らせてくれる作品というのは少ないと思います。この映画はそんな数少ない傑作なのではないでしょうか。
 もっと考え、じっくり見たい場面もありますので、是非この感動が冷めやらぬ内にまた観たいと思います。