■
- 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
- 発売日: 2005/03/11
- メディア: DVD
- 購入: 2人 クリック: 145回
- この商品を含むブログ (685件) を見る
嫌な言い方だけど、この映画には最下層の人間がばんばん出てくる。男ばかり作っている母親、その子供はみんな異父兄弟。その中の、ある子供の父親は十二歳の少年に「言っておくけど、お前の兄弟のあの子はは俺の子じゃないから! お前の母ちゃんとやるときはばっちりコンドーム付けてたんだ!」とか言い出す始末。学校にも行けない少年に友達が出来たと思いきや、そいつらがまたどうしようもないクズで、やれ飯をおごれだの万引きしろだの人の家に押しかけてゲームしまくるだの…。時が流れて少年が中学生になった頃(勿論少年は中学には通えない)、その友達の様な連中に少年が会いに行くと適当にあしらわれた挙げ句に陰で「あいつの家って生ゴミみたいな臭いすんだよなー!」とか言ったり…。他にもいじめられた少女が金に困った少年に、自身がおじさん相手に稼いだ金を渡してみたりと、本当にこの映画に健全な人間はいるのかと思うほどにみんな悲惨すぎる(まあこの少女は好きなんだけれど)。
よく僕はろくでもない人生を送っているなんて思ったりするんだけど、この映画を見るとそれは甘えなのではないかと。僕も人に言いづらい悲惨な経験を持っていたりするが、今のところは大学にも行けているし、それほど酷くはない。日々苦しみはあるけれど、それでも自分だけが不幸なんだと錯覚してはいけないということが大切なのではないか。今日も名前も顔も知らない誰かが苦しんでいるはずだし、そういうことを胸の片隅に秘めて生活していけたら、もっと優しく善良な人間になれる気がする。
(よく考えるとこれは僕の最も嫌いな人間像だ。上からものを見て同情するなんて最低だ。僕もやっぱり最下層だ。上は渋滞している)