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- 作者: 谷川流,いとうのいぢ
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2004/07/01
- メディア: 文庫
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ある日世界が自分だけを取り残してまっさらに変わってしまったら、どれだけスリリングだろうか。変わった世界から抜け出して元の世界に帰りたいと願う主人公。しかしもし僕が似たような状況におかれたとき、元の世界に帰りたいと思うのかなあと考えてしまった。それほど『今』を求めているのか? 変わった世界でそこそこに安住できるなら、そちらを安逸に選んでしまいそうだ。僕は元の世界を熱望する主人公を羨ましく思う。
SF的設定は、相変わらずとらえどころがない。物語の世界の時間概念は言葉では説明できないらしい。でも物語の成り行きを見ていると、その世界では全てが規定されているような気がする。誰かが何かをしたから世界が変わる、というのではなく、始めから終わりまで全てが定められている。いたちごっこの始まりはなく、延々と続くいたちごっこ全体があらかじめ定められているように思う。個人はそれに翻弄されるだけだ。…なんか『憂鬱』のときに僕が考えた概念とはずれてしまった気がするけど、無知なので仕方ないと割り切る。
今作で何より貴重なのは長門有希の変貌だ。普通になってしまった長門は、かなりかわいい。この辺の変貌はエヴァンゲリオンあたりに通ずるものがあるかと(あれはやりすぎだけど)。もっとかわいい長門が見たい。よって『消失』が主軸のアニメ第二期を希望する! アニメ『憂鬱』の時系列を無意味にする手法も最終的には成功したと思うので、そのやり方で是非もう一度。
色々書いてみて思ったことは、次のこと。僕はどうみてもきもいです。本当にありがとうございました。