サニーデイ・サービス

サニーデイ・サービス

 こういうのをネオアコって言うんですかね。さわやかな音と歪んだ音がうまく融合している音楽のことを。
 『ベイビー・ブルー』は、あの良い意味でどこか辿々しいピアノが全てだと思います。詞も好きなんですけど、間奏であのピアノが流れたらそれだけで琴線が揺れまくってしまいます。一曲目の”ひき”は完璧じゃないかと。
 古い映画のように色褪せていてコマが飛んでいる感覚を与える『朝』、色彩感とおぼろげさを表現した素晴らしい詞を持つ『虹の午後に』、ロマンティックな夜に歌う『星を見たかい?』など魅力的な曲ばかりです。
 そして一番印象強いのは『そして風は吹く』です。このアルバムの中では比較的浮いています。曲調が軽快だからでしょうか。アルバムの中に一つ刺激を与えています。何よりこの曲を聴くと、詞にもある「写真」が浮かんでくるような気がします。写真が撮れなかったというのが歌の筋なのですが、この歌は聴き手に懐かしさを与えるところが強いと思います。そういうわけで、一種の思い出として写真が心に浮かんでくるのでしょうか。
 僕はこのアルバムが気に入ってしまって、かなり繰り返し聴いています。久々に当たったなという感じです。これからはこの手の音楽をもっと聴きたいですね。(偶然の音楽さんを参考に…)