高校卒業後は何かが抜け落ちたかのように意気消沈し、廃人同様の生活を数日送った。憎むべき対象が無くなったこと、どんなにアレでも所属が一時的になくなったことが響いたらしい。
 そんなときに自動車学校に入校した。眠たい学科、苛立つ実技、面白いことは一つもない。高校のくだらん授業を聞いていた方がまだマシだ。何にしても入校してから勉強の欲が湧いてきたのは良いことだ。学問は面白いよ。あと、芸術もやっぱり素晴らしいよ。車なんか運転するよりギター弾いていた方が面白い。
 勉強したいと思いつつも入校と同時に買った三國志DSをやりふける。しかし城が六つくらいになって飽きた。この間わずか二日。たかだか数日で飽きるのに三、四千円も払うのは馬鹿馬鹿しい。なんてぼやきつつもがんばれゴエモンを買おうとしている僕はやっぱり馬鹿だ。
 退屈な生活だが、ACIDMAN『and world』を聴いている間だけは夢中になれる。ACIDMANは『創』『equal』を今までに聴いた。けれどその二つは夢中になれるほど魅力的じゃなくて、最後まで聴かずに途中で停止してしまったり、作中で好きな一曲を掻い摘んで聴くといったことばかりだった。今作『and world』はそんなこともなく、僕でも最後まで楽しめる出来。一曲目の穏やかなインストゥルメンタルが終わる頃に暴力的なハウリングを起こして、激しい二曲目が始まるところで呑み込まれる。この後も面白いリズムがあったりして面白いけれど、何か書けるほどに聞き込んでいないので何も書けず。気長に聴いていきたいと思う。