ソニーもツタヤもきたねえなあと思いながらどら焼きを頬ばる午後三時。今日も僕は無駄に一日を浪費するわけで。いやいや、夜は一矢報いたいとか思ったりもしているんだよ、でも経験から考えて、望み薄だね。気まぐれに勉強しだしたらいいなあとか他力本願。緑茶をすする。


 国立を一般で受ける友人はひたすら勉強の日々。頑張っている。で、僕はと言えば、猿の方がまだマシという具合なのだ。自分はクズだと飽きるほど認識してきたし、今も忘れてはいない。しかし、分かっているのに変わらない、いや変えられない。薄志弱行。何かの本によれば、自分を変えられない人間は成功しないらしい。つまり僕は成功しない。どこまでも這いずりまわる人生。偉い人たちの餌。どうせそんなもんだ。
 ここまで考えてもやる気が微塵も湧かない。これはニートだ。ついになってしまったんだ。現代が生んだ最凶最悪のミラクル・ジョブである、ニートに…。実際僕が今日したことと言えば、電車に乗ってツタヤに行っただけだ。働いてもいないし、勉強してもいない。その上無気力。やはりニートだよ。もう人生終わりだよ。


 僕の通っていた高校はどうしようもない学校で、それにふさわしい生徒ばかりで構成されていて、三年間はため息の日々だった。しかし今の現状を考えるに、そんなところでも若干役に立ったのだ。僕をニートにしないという役割は果たしていたのだ。だがあんな学校に恩義を感じるのは屈辱。この上ない不名誉。願わくば、明日からは図書館を学舎とし、自学自習の日々を僕に与えたまえ。
 …明日は、学校の登校日なのだった。どこまでも僕の足を引っぱりやがってぼけ、と毒突きながらもう寝るよ!