取らぬ狸の皮算用

 大学に行ったら。
 筋トレや格闘技で体を鍛えたい。自身を守るにはあまりに貧弱な心身を転換するために。
 ギターやピアノで音楽に親しみたい。音楽を知るにはあまりに未熟な感性を鋭敏にするために。
 重厚な本を沢山読みたい。世界を語るにはあまりに浅学な頭脳を明晰にするために。
 身体、感性、頭脳、この三者を全て高みに上げるのは難しい。恐らく僕はこの内一つだって高みに上げられないだろう。中途半端に食い散らかすよりも厳選して打ち込んだ方がよい。よって、僕にとって一番大切なものは何かを真剣に考えていかなければならない。
 全ては大学に受かってからの話。